基本目標の具体策
- 健康で明るい「生き甲斐づくり」
コロナ禍を経験し免疫力の低下が懸念されるため、心身の健康の三要素とされる「適度な運動」、バランスの取れた「栄養・食生活」、心身の疲労回復と充実した人生を目指す「休養」の基本を見直し基礎体力を養い感染予防対策に努める。これらを踏まえた上で、各種のレクリエーションや行事で本格的に外出や交流を取り入れることにより社会的交流や知的活動を活性化し、心身の機能維持や向上心を高める。また能力に応じた農作業や清掃作業等により健康で働く喜び、社会適応や能力の開発に繋がり「生き甲斐」の発見に結びつくように支援する。 - 入所者個別支援の向上
入所者の高齢化がすすむ中で、生活上に老化現象や疾病の増加が見られ、部分的要介護状況が増えつつあり、年々医療機関の利用も多くなっている。更に自覚症状の無い者や認知症疑いも増え、支援上の観察力が求められる。日頃からの行動に心がけ、適切な個別支援を図り、嘱託医や医療機関と緊密な連絡をとりながら、疾病の予防並びに早期発見に努める等、日常生活に於いてきめ細かな支援を行う。加えて、個別支援計画に長・中期目標及び短期目標を取り込み、その具現化のため入所者自身がより能動的に活動できるよう、健康管理、娯楽・社会参加を総合的に計画する。また福祉事務所との連絡を密にし社会復帰を望む入所者については、退所後のプランを具体的に話し合い支援する。入所者本位のサービス提供のため、個人情報の保護、苦情解決組織の充実及び福祉サービス第三者評価受審のための整備を図り、サービスの質の向上に努める。 - 入所者地域移行の推進 入所者の要望と能力を勘案し、福祉事務所、家族、医療機関等の連絡・調整を行う。入所者の就労支援(採用面接の練習や履歴書の記入等)にも力を注ぎ、地域生活への円滑な移行を支援する。
- 地域福祉への役割
地域福祉への役割として、町の委託を受けた高齢者世帯への給食サービスを行う。又、毎月の誕生会に併せて施設近隣の70歳以上で1人暮らしの方へ昼食を提供する。さらに、学習支援を受ける生活困窮家庭に向け朝食弁当の提供を始め、児童・生徒の生活状況を把握。継続し生活の改善に向け役割を果たす。救護施設の使命として相談支援等、アウトリーチ活動を強化する。その他、広報誌の発行・ホームページをはじめ、マスコミ等を通じ、情報公開と発信力を高めることで、地域住民の方々に施設の理解を深めてもらうと共に、より一層の地域貢献の拡充を目指す。 - 職員の資質の向上
(職員研修)
○施設外研修…オンラインによる研修を中心に、県社協、熊救協主催による研修の機会をはじめ、九州ブロック研修会、全国規模の研修会への参加の機会を与える。
○施設内研修…県、九州ブロック、全国規模の研修会に参加した者はその報告を行う。また、総務委員会を中心に職員各自がテーマを定めて、それに基づき研究した結果を発表する。
(勤務態勢の確立)
○生活支援員については、生活相談員の指導のもとに、生活支援員同士のコミュニケーションを強化させ、入所者個々の支援の向上に努める。
○看護師については、健康管理と保健衛生の分野で専門的な知識を活用し、入所者個々への健康指導を含め支援の向上に努める。
○調理員については、栄養士指導のもとに、主任調理員を中心として調理給食に当たると共に、高齢者世帯への給食サービス業務の配送に携わる。
○全職員は、職務別チーム間の連携を密にして、入所者個々について一貫した支援の確保に努める。また、入所者の尊厳を図るため、入所者個々の生活歴、障害に理解を深め、虐待の未然防止、職員の資質向上を図る。 - 運営費の効果的活用と適正な経理事務
前年に引き続き用地取得に臨み、施設整備計画を見直すと同時に入所者の安全で快適な生活が保障されるよう、老朽化した設備等の補修に留意する。措置費並びに利用者負担金収入を基にした運営費は、入所者支援に最も効果的に活かされなければならない。総務委員会・業務推進委員会・業務管理委員会の各委員会設置により、新しい目線、発想での入所者の施設生活の楽しみと生活空間の充実を図る。さらに、施設入所者の支援に留まらず、地域の生活困窮者自立支援の一翼としての機能を果たし、必要な場所、必要な人に資金・人材を社会に還元する。救護施設の特性を発揮し、特定非営利活動法人等との競争に臨む。