支援方針について
入所者それぞれの人格を尊重しながら健康で文化的な生活水準の維持を基本に、日常生活における福祉サービスや身体的機能の維持・回復、精神面での支援・生きがい等に配慮した援助を行なった。また高齢者の増加に伴い、疾病の予防対策に万全を心掛けた。さらに、「入所者主体」の理念を具体化すべく、入所者の自己決定・個別化を尊重をすることにより、入所者への適切な情報提供、入所者の意向に沿ったサービスの提供、それに基づく入所者の自己実現支援と社会性の向上を図り、満足度の追求に向けて取り組んだ。
行事の執行について
新型コロナウイルス感染予防の観点から、外出や旅行及び地域の方々との交流を目的とした行事を全て中止した。その代替えとして、荘内におけるレクリエーションや運動会など、全員参加を基本とする行事を取り入れ、閉鎖的な日常に、少しの楽しみと入所者同士の一体感を味わえる内容を立案した。結果的には、入所者が中心の行事となり、満足度の高いものになったと感じている。また、密を避けた場所を選び、外部との接触に最大限留意して、屋外行事も行い、ストレス解消に努めた。その他、入所者との意見交換会や会話の時間で、希望・要望等を取り入れた。
健康管理について
朝の散歩を中心に、外気浴やリハビリによる基礎体力の強化で、認知症や老化の防止を図った。特にリハビリにおいては、個別に必要な内容の実施に向け、器具等を揃え、楽しみながら参加出来る内容にし、より効果的なリハビリを実施した。精神疾患を患う入所者も増え、身体的健康の他、精神的変化にも注意を払い、精神状態の変化を職員間で共有し、安心・安全な生活に繋がるよう医療機関とも連携を図った。また、新型コロナウイルス感染防止のため、定期的な手洗い・うがいや外出時のマスク着用を徹底し、毎朝の健康観察や検温で体調チェックを行い、健康状態の変調を見逃さないよう配慮した他、定期的な施設内の消毒や換気を実施した。さらに、職員へ日常行動に対する注意喚起や来荘者に対しての感染防止にも努めた。その他、玄関口に吊りカーテンを設置しクリーンゾーンを確保した他、パーティションの活用等、ゾーニングや飛沫感染予防を徹底した。
食生活について
担当毎の外食を計画していたが、新型コロナウイルス感染予防の観点から中止した。更に、食事の際の密状態を回避するため、2班に分かれて食事を実施。行事が自粛傾向で、更に❝食べる事の楽しみ❞が高まる中、セレクトメニューやバイキング等、目新しいメニューを提供し満足度の高いものとなった。さらに、個別の嚥下状態や栄養摂取量に応じた、食事形態や補食等を工夫し、健康管理に努めた。
職員の資質向上について
新型コロナウイルス感染を懸念し、全国,九州,熊本県の各協議会が主催する研修会が中止・延期となった。入所者へのサービス向上に向け、外部講師のよる研修を実施し、仕事人としての心構えについて再考する機会となった。その他、サービス向上委員会の活動は「注意し合える環境」を合言葉に、適切な接遇を心がけることで、虐待防止に繋げた。
入所者地域移行の促進について
居宅生活訓練では、買い物や就労訓練を含む地域との交流等の外出訓練は、新型コロナウイルス感染予防の観点から中止した。服薬管理においても医療機関との調整が出来ずに実施できなかった。一方、施設内における掃除や洗濯、調理の基本的な訓練は、計画どおり実行出来た。
地域社会における交流と役割
地域社会との交流については、これまで老人クラブや、地域住民の方々、保育園の園児等と積極的に交流していたが、新型コロナウイルス感染予防の観点から中止した。役割では、高齢者世帯への給食サービス等を通じて地域貢献できた。今後も関係機関と連携を密にして取り組んでいく。
防災について
避難訓練を重点にその方法と効果を考えながら行っているが、入所者の高齢・重度化に備え、主に自衛消防組織体制の見直し・役割毎の訓練等、避難時の安全を考慮して実施した。また、防災訓練月の前月には役割毎の訓練を実施し、二重の訓練とした。さらに梅雨時期や台風接近時には、風水害対策会議を随時行い、入所者の支援体制を強化した。殊に令和2年度は、7月豪雨や大型台風の接近等、緊迫した状況が続き、有事の際のライフライン遮断の対策と、BCP(事業継続計画)を再構築することも課題となった。
その他
※防災について。入所者の高齢重度化に備え、主に自衛組織の見直し・役割毎の訓練等、避難時の安全を考慮して実施。※施設内リスク管理について。入所者の転倒等の怪我が増加傾向にあり、随時改善点を検討し再発防止に努めた。また、誤薬関しては、生命に深く関わることから、対策の見直し、確認回数をの直しを行った。平時から安全・防災意識を高めるため、客観的な安全点検の実施や防災マニュアルの見直し、BCP(業務継続計画書)の作成を行った。なお、令和3年度における入所者の状況及びその他の事業実施状況は別紙のとおりである。
令和3年度 入所者の状況(令和4年3月31日現在)
[男性27名、女性24名、合計51名]
平均年齢 | 全体68.2歳(男性67.3歳・女性69.2歳) |
在所期間 | 全体12年3月(男性10年7月・女性14年2月) |
入退所状況(令和2年度・令和3年度)
令和2年度 | 令和3年度 | ||||||
入所 | 退所 | 入所 | 退所 | ||||
自宅・AP | 2 | 自宅・AP | 0 | 自宅・AP | 2 | 自宅・AP | 2 |
他施設 | 1 | 他施設 | 1 | 他施設 | 1 | 他施設 | 0 |
病院 | 3 | 入院 | 4 | 病院 | 4 | 入院 | 6 |
その他 | 0 | 死亡 | 1 | その他 | 0 | 死亡 | 2 |
合計 | 6 | 合計 | 6 | 合計 | 7 | 合計 | 10 |
※本サイトへのリンクはフリーです. メールなど頂けると幸いです.